相続というのは、亡くなった人の財産を、子や配偶者など遺産を継承する権利のある人に移動させる法律行為のことです。預金や有価証券、不動産等が対象になるのは当然のこととして、それ以外にも実は負債までもが財産の一部として継承されるわけです。財産の一部放棄は法律上認められてはいませんから、負債だけを拒否することはできません。もしも弁済をしたくないというのであれば、プラスとなる財産の継承もまとめて放棄をするしかないわけです。
ただ、プラスの財産が多ければ、弁済をした後でも一定の得は残るわけですから、多くの人が甘んじて負債も相続をするのが一般的です。また、負債の方がプラスとなる財産よりも大きいのであれば、迷うことなく相続放棄をすることとなるはずです。どちらにせよ、相続をする側としては自分でその二択を選べるので問題はないでしょう。弁済ができると思えば相続をすればいいですし、できないと思えば放棄をすればいいだけです。あまり迷う必要はありません。
相続放棄の手続きは、非常に簡単にできます。お金もほとんどかかりません。放棄をすれば、最初から相続人ではなかったという扱いになるために、その後面倒なトラブルに巻き込まれてしまうこともありません。大きな借金を残して親が亡くなったとしても、子供がその借金を返さなければならないということはないわけです。ドラマや映画ではそのあたりを正確に描いていないこともあるので注意ですね。